「「「……………ゴクリ」」」
「こっ…これは…」
「見事な…」
「建物ですっ…」
「いろんな意味で…」

 

 

リアル肝試し 二話

 


「よし、早速だが組み分けをするぞ」
「くじ引きか?」
「いや、今回は何が起きるかわからないからな。慎重に決める。」
「何が起きるかわからないって…」
「本当に大丈夫かよ…」
「三組に分かれるから…こうする」

恭介チーム→恭介、来ヶ谷、小毬
真人チーム→真人、佳奈多、葉留佳、クド
謙吾チーム→謙吾、理樹、鈴、美魚

「どうだ。バランスいいだろう。」
「コマリマックス!一緒だな」
「ゆいちゃんいっしょだね〜っ☆」
「ゆいちゃんはやめてくれ…」
「井ノ原さん。一緒ですっ」
「おうよ。筋肉に任せな!」
「やはは…お姉ちゃん一緒だね」
「なんでこんなメンバーに…」
「なんだ二木…不満か?」
「いいえ何でもないです」
「おお理樹!また一緒だな!」
「なぜか偶然?ね…」
「あたしは理樹と美魚と一緒か…」
「恭介×直枝…はダメでも宮沢×直枝…は有りですか…」
「ん?美魚はなに言っているんだ?」
「よし決定だな。各一人この懐中電灯を持って行くこと」
「もう一つ、何か起きたらここに戻ってくるんだぞ」
「以上だ。諸君、捜索を開始する」
「ミッション…」

「「「スタート!!」」」

「先発隊は真人達が行ってくれ。理樹がそのあと続いて、俺らは最後に行く」
「おっ俺らが最初かよ」
「お前はその自慢の筋肉で幽霊を跳ね返すんじゃなかったのか?」
「おっと忘れてたぜ」
「入り口は目の前の下駄箱な」
「じゃ行くかクド公!」
「はいですっ」
「じゃお姉ちゃん行こー行こー」
「ちょっ…葉留佳引っ張らないでよっ」

そんな事で入っていった真人たち。
 

    真人チームepisode1

パチッ

懐中電灯のスイッチをいれた。

「げ…………予想外だぜ…」
「うわぁー先が真っ暗ですネ…」
「はたして何が起きるのでしょう!」
「先も何も真正面は壁でしょうが」
「わふーT字路ですっ」
「あら…そうみたいですネ」

初っ端からマジボケした葉留佳。

「はぁ…大丈夫かねぇこのメンバーで」

と思う佳奈多であり、それは誰もが思うでしょう。

「さて右と左どっちにいくか?」
「右だ!」「ひだりー!」「右ね!」「ひだりですっ!」
「「「「……………」」」」

見事かみ合わなかった。

「分かれたわね」
「さて…どうするか」
「ここははるちんを信用して左ですよ」
「右行きましょうか」
「そだな」 「はいですっ」
「えぇー!?何でそうなるの!?私信用ゼロ!?」

右へ進むことにした真人達。

コツ…コツ…

足音が壁に当たって反響する。

「……こう暗い道を歩いてるとなんだかドキドキするです」
「静かだしね…」
「じゃあ筋肉の話するか?」
「却下」
「そう言うなって。…すぐれた筋肉の大きな特徴は不幸で苦しい…」
「さて…また分かれ道ね…」
「って聞いてくれよ!」
「右は…上り階段ね。左は…真っ直ぐ道が続いているわね」
「さて今度は…」
「左だ!」「ひだりー今度こそひだりー!」「左ね」「ひだりですっ」
「おお…今度は全員一致したな」
「左へ行きましょう!」


そのころスタート地点では…。

「よしそろそろだな。謙吾行ってくれ」
「よし!行くか理樹!」
「行こう」
「理樹、大丈夫なのか…入っても…」
「私はそろそろ帰りたいです…」
「えぇ!西園さんもう!?」


    謙吾チームepisode1


謙吾達が続いて入る。

「さて、いきなりだが右と左どっち行くか?」
「あたしは左がいい」
「じゃあ左に行くか」

左を向いた一行。

「おっと…こっちもまた分かれ道だな」
「真っ直ぐが…突き当たりか?右が…奥に続いているな…。斜め右が登り階段だな」
「う〜ん…三方向か…」
「…直枝さん。真っ直ぐは先が続いていると思います。」
「あっ…そうみたいだね」
「真っ直ぐ行ってみるか?」
「あたしは任せるぞ」
「直枝さんにお任せします」
「理樹はどうする?」
「え?ああ…そうしようか…」
「どうした?理樹?」
「いや何でもないよ…」

理樹は何か感じた。
直進する謙吾たち。
進んだ先の目の前は…。

「ん?ドアだ」

ドア扉の正面に立つ一行。

「左にも道がありますよ」

廊下の途中にあるドア。その先も道続いている。

「ところでここは何だ?」
「ほー…保…保健室?」
「そうみたいだな」
「いきなりですか!?」
「入るか?」
「え?えーっと…」
「あたし怖い…」
「理樹…入ってみようか」
「あー…行ってみよう」

ガッ!ガラッ! バンッ!!
引き戸を開ける。

「「…………」」

そして中を照らす。

「わっ!鈴?西園さん?」

鈴と美魚は理樹にしがみついた。

「むっ!?」
「謙吾どうかした?」
「薬の臭いがする」
「そっ…そうだね…」
「謙吾…中に誰かいるのか?」

鈴が聞く。

「人の気配はないな…」
「ベッドと薬品棚があって…」
「…ゾンビは?…」

また鈴が聞く。理樹の背中に隠れている鈴。西園さんは理樹の後ろから中を覗く。

「いや普通はいないでしょう」
「さて…それはどうかな…」
「えぇ!?」

とりあえず慎重に捜索してみる。
ガツッ!
謙吾の足に何か当たった…。

「ひゃっ!?」
謙吾ではなく鈴が驚いた。

「ん?何だこれは?」

謙吾がそれを拾う…。

「な!?…ん!?こっ…これは!?」

 

そのころ入り口。
最後の一組が入る。


「さて、そろそろ俺らも入るか」
「いよいよだな」
「さあ〜いきましょう〜」


   恭介チームepisode1

「さて、分かれ道だが…」
「右だな」
「ほう…どうしてだ?」
「見ろ。左の突き当たりの引き戸が開いている」
「つまり、先に行った理樹か真人がいると…」
「そういうことだ。いま会うのはつまらないだろう」
「ゆいちゃん。もし最初から開いてて理樹君たちがいなかったら?」

小毬が人差し指立てて聞く。

「じゃあ後で来ようかコマリマックス」
「あ、でも左は先が分かれているな」
「なあ来ヶ谷、左の別ルートに行ってみようぜ」
「何故だ恭介氏?」
「この先に何かがある感じがするんだ」
「べつに構わないが」
「わたしは二人についていくよ〜」

闇の中でも笑顔の小毬さん。
左を向く恭介ら。

「階段があるが?」
「いや、右だ!」

三方向ルートの「右が奥に続いている」のルートに恭介は進む。
謙吾たちとは垂直に。
真人たちとは平行に。

「道が広いね…」
「ああ…そうだな」
「しかも絨毯かこれは?」

優に4、5メートル位道幅がある。
それにその道はタイルではなく絨毯であった。

「ん?教室か?ここは?」
「反対側もきょうしつだね」

両側に教室がある。

「左が第一理科室となっているな」
「右側は調理実習室…かな?」
「理科室入ってみようぜ」
「ほわぁ!り…理科室!?いきなり入るの?」

恭介が引き戸に手を掛ける。
ガッ!ガッ!

「あれ?開かないぞ」
「こんな時は…」

恭介がポケットの中を探り初めたその矢先。
ガラーッ!

「見てゆいちゃんこっちは開いたよ〜」

調理室は開いた。

「ゆいちゃん…は勘弁してくれコマリマックス…」
「……鍵が開いている…?じゃあ先にそっち調べてみるか」

少し疑問を持った恭介。
調理室へ入る。

「…………」
「……………」
「………………」
「これといって何も無かったな」
「そんなはずは…」
「ほわぁ!?」
「どうした?小毬?」「どうした?コマリマックス?」
「「なっ!?」」

調理台のガスコンロに火が…。

「コンロのスイッチを入れてみたら…」
「ガスが通ってるだと!?」
「ここは廃校舎で無人のはず…」


    真人チームepisode2

「それにしても長い廊下ね100メートルぐらいあるかしら」
「こっちは流し台みたいですネ」

右を見る。

「しかも随分汚いと…」
「ああ…こんな長い廊下なら絆スキップしたかったぜ…」
「きずなスキップですか?」
「そうだ。謙吾と理樹と肩組んでスキップするんだぜっ」
「キモいですネ」
「でもよ途中で理樹がリタイアしてな絆スキップは封印したんだ…」
「それは残念ですっ」
「ちょっと悲しいぜ…」

その時葉留佳が何かを感じた。

「あ…あれ?クド公今後ろ歩いてなかった?」
「わふ?井ノ原さんの前にいましたよ?」

葉留佳の隣には佳奈多、その前には真人がいる。

「どうした?三枝?俺の前を歩きたいのか?」
「葉留佳?どうしたの?」
「??後ろに誰かいたような??」

首を傾げる葉留佳。
一斉に振り向く。
照らす。

「………」
「誰もいないじゃない」
「あっれぇ?おかしいな?」
「三枝の背中にとうとう目が付いたか」

何をどう間違っても付くはずはない。

「まさか…ね。あはは…」

再び前を向いて歩き出す。

「ん?ここは…」

佳奈多の足が止まった。

「他目…室?」
「多目的室ですか?」
「そうみたいね」
「入ってみるか?」
「ちょっと待って」

扉に耳をくっつけた。

「………………」
「何か聞こえますか佳奈多さん?」
「いいえ何も…入りましょう」

ガッ!ガッ!

「くそっ!開かないな」

ガラーッ!

「お姉ちゃ〜ん。後ろの引き戸開いたよ」
「葉…葉留佳!?」
「ん?そっちか」
「わふ〜開いたのです」

佳奈多入る

「なんか見える?お姉ちゃん?」
「何があるんだ?教えろよ」
「わふー見えないです」
「ってなんで私が一番前なの?男のあんたが最初にいくべきでしょうがっ!」

真人の背中を押す。

「井ノ原さん。気をつけてください」
「お、おう…」
「………」
「…………」
「……………」
「………………」
「広いですっ」
「何もないですネ」
「なんだよ…バーベルがあるのかとおもったぜ」
「ちょっと!この部屋綺麗じゃない!?」
「そういえばそだな」
「わふ〜きれいですっ」

廊下と他の場所と違ってこの部屋だけ整備が行き届いてる。不自然だ…。

「もっと慎重に調べてみましょう」
「………」
「…………」
「……………」
「…………」
「……………」
「………」
「……うおっ!?何だこれは!」

真人の足元に隠し扉が

「えぇ!どこどこ?」
「これはすごいわね…」
「しーくれっとなドアですっ」
「これは怪しいわね…」
「開けるか?」
「いいえ…危険だわ。他の人たちと合流したときに行きましょ」

部屋の外に出る。
先へ進む。

「おぉ〜階段ですね。登りの」
「てことは1階は終わりか?」
「そういうことになるわね。他のルートは別の人たちが捜索しているようですから…」
「じゃあ登るか」
「階段の裏は…ゴミだらけで何もないわね」
「いざ!のぼりましょう〜」

階段へと上がる。

 

二話終わり



三話へ続く

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