リトルバスターズの修学旅行から帰ってきて半月後のある昼休み。
 恭介からメールがきた。

「メンバー全員19時に理樹の部屋に集合すること」

何故僕の部屋?
と思いつつ恭介にメールを返信する。
「何をするの?」と…。
数分後。
 
「肝試しだ!」
 







リアル肝試し 一話








午後7時。
続々と集まってきた。
 
「来ヶ谷と鈴がまだ来てないな」

恭介は言う。

「肝試しなんて久しぶりですっ」
「はるちんの華麗な活躍で今日はMVPを取るぞっ」

やる気溢れる葉留佳さん。

「肝試しで恭介さん×直枝さん…ぽ…」

勝手に暴走する西園さん。

「今回は恭介さん何を仕掛けるのかなぁ?」
「小毬…今回なんだが…」
 
そのときドアが開いた。
ガチャッ。

「離せボケーーッ!!」
「はっはっは。遅れてすまない恭介氏」

来ヶ谷は鈴を引きずってきたのだ。

「肝試しなんていやだぁぁぁぁ!」

鈴は叫ぶ。

「なんだ来ヶ谷。そんな時は俺を呼んでくれよ。俺なら引きずらないで担いでやるのに…」
「うっさい! ぼけーっ!!」
「うぎぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁああっ!!」

鈴のハイキックが筋肉に決まった。
真人も叫ぶ。

「鈴ちゃん蹴っちゃだめだよ〜」
「「ところで恭介。今回は?」」

理樹と謙吾がなぜかハモった。

「偶然だね。謙吾」
「おお調子いいな理樹!」

なぜか意気投合した僕ら。

「おっとそうだったな。みんな見て聞いてくれ」

恭介が恒例の儀式として横断幕を出す。
理樹そっち持ってくれ。
 
「第二回、廃校舎に突撃! リアル肝試し大会!!」
「はい拍手」
 「「「…………………」」」
 
見事白けた。
 
「って何を遣らすんじゃバカ兄貴! 私は行かないぞ」
「参加したらモンペチ30缶贈呈」
「じゃ行く」
「えぇー!? 鈴行くのー?」
「「だから理樹も来い」」
「えーと…」

学校一目立ってる兄妹に誘われたらいくしかない。

「廃校舎ってリアルすぎますネ…」
「さすがのお姉さんもびっくりだぞ」
「うみゅ…やっぱ怖い…」
「鈴ちゃん全員で行けば怖くないよー」

それは反則ではないのか。

「わふー…リアルであってもなくても怖いのです」
「まさか…幽霊…がでるんですか…?」
「もしかしたら…だ」

西園さんの質問に恭介が答える。

「えぇーっ!?恭介! さすがにそれはやばいでしょ!?」
「安心しろよ理樹! 今の俺の筋肉で幽霊も跳ね返してやるぜ!」
「いやいやいや…幽霊は跳ね返せないからね」
「大丈夫だ理樹! 俺が剣捌きで撃退してやる」
「いやいやそれも〜無理でしょ」
「ところで恭介氏、場所はどこだ?」
「ここから2kmほど歩いたところだ」
「どうやって行くんだよ恭介」

真人が聞く。

「もちろん歩いて…っと行きたいところだが、さすがに暗くなるし距離があるから車でだ」
「言い忘れてたことがあるんだが…その土地の所有者に使用許可を得たのか?」
「もちろん。あっさりOKしてくれたさ」

さすが恭介…行動は早い。

「でも何故に廃校舎?」
「ああ…実は、その校舎では夜な夜な怪現象? が起こるらしくて近所の睡眠の妨げになっているらしい」
「つまり…それを解明するってこと?」
「まあ、そうだな」

その時 ガチャッ。
ドアが開いた。
 
「葉留佳! やっぱりここにいた…探したわよ!」
「お姉ちゃん!」
「佳奈多さんですっ」
「二木か…どうしたこんな時間に?」
「葉留佳、勝手に私の机からノート持っていったでしょう?」
「あー…いやーちょっと解からないところがありまして…」
「今すぐ返して!」
「それはですネ…私の部屋のカバンの中ですよ」

それはカバンから出してないということなのか…と心中でツッコんだ主人公であった。

「じゃあ返してもらうわよ」と言い残して部屋から出て行こうとした元風紀委員長に、
 
「そうだ! お姉ちゃんも今から一緒に行こうよ」
「今から!?」
「ほぅ…二木女史も来るか?私は大賛成だぞ」
「佳奈多さんがいれば私も嬉しいですっ」
「どこにですか!? ってもう夜ですよ?」
「夜中だからこそ行くべきですヨ」
「肝試しですっ」
「肝試し!?」
「二木も来るか?」

と恭介が誘う。

「私は行きません」
「佳奈多さんも来たらどうかな?」
「行きません」
「ふっふっふっ我が姉は幽霊が怖いのではないのかと」
「違います」
「一緒にいきましょう」
「神北さんまで!?」
「なんでー? なんでー? みおちんもクド公も来るのだよ佳奈多も行こうよ〜」
「私は行くとは言っていませんが…」

西園さんがツッコんだっ!
しかもいまさら参加していなかったとか…。
 
「そんな時間無いです。今から復習しないと…」
「もう復習の時間はとっくに過ぎてるよ〜」
「あっ……もう九時過ぎてる!」
「じゃ佳奈多も行きましょうぜ」
「……しかたないわね……」
「いいのかなそれで…」
「よしいい時間帯だな。15分後校門に集合」

恭介が言う。
車で10分後……。

現地到着。
 
「「「……………ゴクリ」」」
「こっ…これは…」
「見事な…」
「建物ですっ…」
「いろんな意味で…」
 
目の前にはテレビとかでよく見る黒く雰囲気ありまくりの建物がそのままある…廃校の校庭らしき広い土地に立っている僕ら。
 




二話へ続く

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