オマケです。
恐らくここまで来たということは、『冬に咲く華』を読んできてくれたのでしょう。
ありがとうございます。
もしこの先を読み進めるならば、今抱えている『冬に咲く華』のイメージを全て取り払う事をお勧めします。
ではっ、どうぞ。































あぁ、直枝さん。
何であなたはそんなに可愛らしいんですか。
正直食べちゃ……ゲフンゲフンっ!狂おしいまでに愛でたいです。
あぁ……もう手の届く範囲に置いておきたい……。

「だから直枝さんっ、私の義弟になってっ!」
「いきなり何を言ってるんですかっ!」








                   冬に咲く華β〜何かに目覚めた古式嬢編〜




「さぁさぁ!私の胸に飛び込んできてください直枝さんっ!」
「な、何を……」
「直枝さんが可愛いからですっ!」
「わけがわかりません!」

あぁ、慌てふためく直枝さんも可愛い……。
もう待てません……こうなったら私からっ!

「待ちな、古式」
「っ!?誰ですかっ?」

声のした方を向く。
明らかに丈の合ってない学ラン、赤いシャツ……。

「理樹は俺の弟……それは、俺と理樹が出会った頃から決まってるんだぜ……?」
「井ノ原さん……」

くっ、ここで強敵現る!です。
ルームメイトたる井ノ原さんが対抗馬では、大した面識のない私では太刀打ちできません。
ここは、お姉さんの魅力でどうにかするしか…。

「おーっと、それに関しちゃ俺も黙っちゃいられないな」
「恭介……」

恭介さんっ!?
余計に形勢が悪化しました!
そして、静かに私の前に踊り出る男の人が1人……。

「……」
「宮沢さん……あなたも、私の邪魔をするというのですか?」
「お前とはこういう間柄にはなりたくなかったが……だが、理樹は譲れんっ!」

バサッ!と愛用のジャンパーを脱ぎ捨てる。
それ程本気という事ですか……。
直枝さんが事態が飲み込めずおろおろしている。
あぁ……さいっっっこう、です!

「弟にするというなら良いが……だが、古式さんの目からは、別の何かを感じるな」
「鈴さん……」
「だから……理樹は、私がもらっていくっ!」

ぐっ、と体勢を低くし、緊張感を高める。
続々と、直枝さんを虎視眈々と狙う輩が現れてくる。

「ふむ……理樹君は確かに可愛い。そして独占したい。ということで、私がもらっていくぞ」

来ヶ谷さん。

「私の願いは、あなたでは為しえません……ということで、阻止します」

西園さんが。

「なーんかよくわからないけど、私も参加しますヨ!」

三枝さんが。

「うん〜、とりあえず混ざるよ〜」

小毬さんが。

「ええっと、古式さんが義姉でリキが義弟になっても私は別に構わないんですが、あの、その……でもリキは私がもらっていきますーっ!」

能美さんが。

「……そうですか、皆さん仲良い振りをしつつ、密かに直枝さんを狙っていたという事ですね」

笑いが込み上げてくる。
やはり直枝さんは素晴らしい……これ程の人を魅了する可愛さを兼ね備えているのだから。

「あの、その……皆、どうしたの?」
「直枝さん、隠れていてください……私が、獣から守ってあげますから」
「一番あなたが獣っぽい目をしてるんですが…」

何やらぶつぶつと言っている直枝さんを抱きかかえ、離れた所に避難させる。
その間に何故か噴出した鼻血をティッシュで拭きつつ、周りを見渡す。

「9人ですか……なんてことはないですね」
「何だと……?」
「無茶を言うな古式……お前に、俺達全員をねじ伏せる事などできはしない」
「宮沢さん……甘い、甘いですよっ!」
「っ!?」

油断している隙に、私は一気に距離を詰め、跳躍する!

「私の直枝さんの愛は誰にも負けませんっ!義弟にするまで、私は何度でも立ち上がってみせましょうっ!」

男女の群集に、私は風を切って落ちていくのだった―――。






愛を知り、愛を手に入れる為に奮闘する古式!
そして、立ちはだかる理樹の友人達も、理樹への愛を実らせようとしていた!
古式の愛の行方は!?
理樹の取った決断とは!?


次回『古式と理樹と、時々はなぢ』





永遠に続かない―――。




すいません、悪ノリしすぎました。
さらっと読み流してください。

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