「ふふふ…直枝さんが悪いんですよ」

「に…西園さ…ん」

「怯えている直枝さん…アリです」

 

悲しみと後悔

 

どうしてこうなってしまったんだろう。

そう、確かに僕は悪い事をした。

鈴からの突然の告白、そして僕は鈴を傷付ける事など出来ず雰囲気に流されてしまった。

「なんで…西園さんがその事を…」

「女の子の勘をなめてはいけませんよ、直枝さん」

勘、そんな一言で片付けられるだろうか。

そんな僕の考えを察したように、僕の血で赤く染まった包丁を舐めながら西園さんが口を開く。

「ふふ、さすがにばれましたか…正解はこれです」

「盗聴器…」

まさかそんなものが仕掛けてあったなんて…

もっと場所を考えるべきだったか。

そんな今更な事を意識が薄れだした頭で考える。

「本当はこんな物は使いたくなかったんです」

「でも…貴方の皆さんへの態度は私と付き合い始めてからも変わらなかった…」

「にしぞの…さん…」

ひどく冷たい声で西園さんが言う。

「もう…終わりにしましょう」

「にし…ぞのさ…ん…ごめん」

「今更…遅いです」

僕が見た彼女の姿は…まるで氷の彫刻のように美しく冷たかった。

ザシュ!!!!

 

 


「次は…あの悪い猫さんですね…」


 




    
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