「本当にいいのか?」

「いいんだ、後悔なんてしない」

 

 

「まったく、なんでこんな子がいるのに他の子に手を出すかな…」

「………」

今あたしの横に寝ているのは理樹じゃない。

あたしが働いている施設の同僚…

昨日までそれだけでしかなかったやつがあたしの頭を撫でている。

きっかけは親友の一言。

『昨日、私の部屋に理樹くんが泊まったんだ…』

どんな事があったのかは話してくれなかった。

でもあたしでも分かる。

あの虚ろながらも幸せそうな顔を見れば。

だから同じ事をしてやろうと思ったのに…

「後悔…してるんだろ?」

「そんなこと…」

どんなに頑張ってもそれ以上は嘘が付けない。

事実、あたしの心は後悔の気持ちでいっぱいだから…

 


『なあ…理樹、お前は…後悔してくれたのか?』


 




    
inserted by FC2 system