「佐々美様のルームメイトの小毬さんに、是非お聞きしたいことがあります」 最近甘いものの食べすぎか理樹に「ちょっと太った?」と女の子に言うべきでないことをあっさりといわれ、ショックを受けたためダイエットを始めた小毬が、ランニング中に出会った3人組の女性に引き止められていわれたことがそれだった。 「ああ、確かさーちゃんの後ろによくいる……」 その三人組にどこか見覚えがあった小毬は、記憶からその三人組が何者なのかを探り、その答えをたぐりよせる。 「中村由香里です」 一応面と向かって話すのは初めてなので三人は自己紹介をしてくる。 「ゆかりんにれいちゃんにさきさきだね。よろしくー」 早速名づけられたあだ名にちょっと戸惑うものの、すぐに話題を元に戻す三人。 「うん、いーよ。なんでも聞いてー」 聞きづらいこと、本人から直接は聞けないようなことなのだろう。 「実はですね……その、毛、についてなんです」 顔を赤くしながら話す咲子。他の二人も赤くしている。 「髪の毛がどうかしたの?」 何を言いたいのか気づいたのか、小毬も顔を赤くする。 「え、で、でもその毛がどうかしたの?」 困った。
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