リク「クド、『はろうぃん』をみんなで祝おうと画策する」

 


 今日は10月の30日なのですっ! 明日はあのはろうぃんの日ですよ。
 みなさんに楽しんでもらおうと一人奮闘中なのです。
「あうっ……」
 ぷつりと針で指を刺してしまう。指からは真っ赤な血がじわりじわりと滲み出てくる。思わず口でぱくりと指を覆う。
 それはそれは鉄の味がしてまずい、けどまだ出るから咥えてないと行けない。
「うぅー……」
 それはおしゃぶりみたいな感じであり、今の私を見たら皆が皆そういうかも知れません。
 親指を咥えているその姿はまるで赤ん坊のようなのだから……。

 

「で、出来ましたーー! なのですっ」
 我ながらうまくいったと自画自賛出来るほどの出来である。
 これを作るのにどれだけかかったことか。誰にもばれずに作るのがどれだけ辛かったことか。
 元々裁縫能力があまり高くない私の指には至る所に絆創膏で証が記されています。
 これは、完成させるための試練だったのだと。

「あとは、皆さんに来てもらえるといいです」
 そう、修学旅行の事故からの傷(主に心)を少しでも和らげてあげたいというクドの本気の気持ちの籠った作品たちである。
 少しでも楽しんでもらいたい。少しでも心を癒してもらいたい。そんな一心からクドは一人ハロウィンに向けて計画を進めていた。
 その分勉強はおろそかになっていたが、それも今日まで。
 明日の日曜日のハロウィンに向けて、クドはさらに作業に励んだという。

 




    
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